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第11回こどもホスピス寺子屋開催レポート

10 時間前
読了時間: 5分

  9月25日、第11回寺子屋を開催しました。


今回の寺子屋は「コミュニケーションに視点を置いた重心児との関わり方」について、生活クラブ風の村あかとんぼ稲毛の副施設長である竹内耕さんを講師としてお迎えしました。


竹内さんのお話は、とても分かりやすく、重い障害を持った子どもたちとどう触れ合ったらよいかと戸惑う人たちに、安心を与えてくれる内容だったのではないかと思います。


まず、重症心身障害児者とはどのような人たちなのか、というところからお話が始まりました。重症心身障害児者は、重い知的障害と重い肢体不自由が重複している人たちです。言葉で伝え合うことが難しかったり、自分から身体を動かすことが難しかったりする場合があります。

「言葉が使えないとしたら、どうしますか」「身体が動かないとしたら、どうしますか」という問いかけには、改めて考えさせられました。自分ごととして考えてみるということはとても大切なことですね。背中がかゆい、おなかがすいた、好きなものを食べたい、誰かと握手したい……。私たちなら、言葉や身体の動きですぐに伝えられることも、伝えることが難しい場合があります。

だからこそ、周囲にいる人がその人の様子を見ながら、「もしかしたら、こうなのかな」と考えていくことになります。ただし、その解釈が正しいかどうかは分かりません。だからこそ、できるだけ確かめながら近づいていくことが大切なのだという説明がありました。


また、安全に関わるために知っておきたいこととして、骨折、感染症、チューブなどの抜去についても具体的に説明がありました。

重症心身障害児者は、身体の状態などから骨折しやすい場合があり、急に動かしたり、無理な動きをさせたりしないことが大切です。チューブ類についても、どこにどのようなものがあるのかを確認し、引っかけたり引っ張ったりしないよう注意する必要があります。

こうした話を聞くと、「難しそう」「自分にはできないのでは」と感じる人もいるかもしれません。

けれども、講義では、すべてを自分で判断する必要はないことも伝えられていました。急な変化があったときに大切なのは、「なんかへん」と気づくこと、そして「なんかへんです」と周囲に伝えること。これは、初めて関わる人にとって、とても大切なメッセージだと思いました。  

では、実際にどう関わったらいいのでしょうか。

講義では、「まず自分の話をする」「相手の話をする」「ふれあうことでわかり合える」「たくさん言葉をかけ、たくさんふれる」という、とてもシンプルな関わり方が示されていました。

自分のことを話してみる。相手を見て気づいたことを伝えてみる。そして、声をかけながら、ふれさせてもらう。「何か特別なことをしなければ」と構えるのではなく、まずは一人の人として出会うところから始めればいい。初めて重症心身障害児者と関わる人にとって、とても安心できるお話だと思いました。


「だいじなこと」「ふつうでいいんだ」と題した竹内耕さんの講義スライド
竹内さん講義の後半「だいじなこと」の一つ、「ふつうでいいんだ」の場面

そして、講義の後半にあった「だいじなこと」。ここが、今回のお話の中で私が最も大切だと感じた部分です。その一つが、「ふつうでいいんだ」ということでした。

重い障害があっても、その人には好きなものがあり、嫌なことがあります。友だちや先生のことを気にしたり、親子関係で悩んだり、恋をしたり、面倒なことをさせられるのを嫌がったり、初めてのことに怖さを感じたり、わくわくしたりする。

つまり、障害の程度が重いからといって、「人としての感じ方」まで特別なものになるわけではありません。これは、初めて関わる人にとっては、とても大切な視点なのではないかと思います。

「障害のある人だから、こう接しなければ」と考える前に、「目の前にいるこの人とどう関わろう」と考えてみる。そうすると、少し見え方が変わってくるのではないでしょうか。


もう一つ心に残ったのが、「わかり合おうとすること」です。

言葉でのやり取りが難しい人の気持ちを、私たちが完全に理解することはできません。そもそも、私たち自身も自分の「本当の気持ち」をいつも正確に分かっているわけではありません。

だからこそ、「分かった」と決めつけるのではなく、「分かりたい」と思って関わることが大切なのだと思います。「もしかしたら、こう感じているのかもしれない」そう考えながら相手の表情や身体の動き、反応を見ていく。違っていたら、また考えてみる。

正しく受け取れないかもしれない。それでも、「分かりたい」「近づきたい」と思うことはできる。


そして最後に出てきた「心をひらく」という話も、とても印象に残りました。

「分からない」のは、本人のせいではなく、もしかしたら支援する側がまだ分かっていないだけなのかもしれない。「分からない」で終わらせてしまえば、そこで終わってしまいます。

でも、「こうかもしれない」と考えてみることで、相手を知るための新しい可能性が生まれます。分かってくれようとしている――その姿勢が、相手の心をひらくこともあるのだというお話でした。


今回の講義は、重症心身障害児者についての知識や、安全に関わるための具体的なポイントを学ぶだけでなく、「人と人との関係とは何だろう」と考える時間でもありました。

そして、これから初めて重症心身障害児者と関わる方にとっては、「難しいことをしなければならない」と構えるのではなく、「まずはこの人を知ってみよう」と思える講義だったのではないでしょうか。


知識や技術はもちろん大切です。でも、その土台にあるのは、「この人のことを知りたい」「この人と分かり合いたい」と思う気持ちなのかもしれません。「分からないから、できない」のではなく、「分からないからこそ、わかろうとする」。今回の講義を聴いて、私自身も改めてそのことを大切にしていきたいと思いました。


記録 鹿島



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