葛西臨海水族園に、パパとママとお出かけした日
- 3 日前
- 読了時間: 4分

お出かけの準備
前日に前髪を整え、三つ編みに。
指の爪には可愛らしいピンクのマニキュア。
そして、頭にはママの手編みのニット帽。
大好きなベルーガのぬいぐるみを抱いて迎えた朝は、待ちに待った「お出かけの日」
とびっきり、わくわくの時間でした。

海風に触れて
車からバギーへ
その瞬間、ふわっと海風が頬に触れました。
すると
まぶたがゆっくり開きました。
その表情に、パパもママも私たちも、思わず顔を見合わせました。
お出かけしていることを、ちゃんと感じてくれている。
そのことが、ただただ嬉しくて。

出会いは、訪問診療の先生のひとことから
「ちばこどもホスピスプロジェクトという団体があるんですけど。」
訪問診療の先生の紹介で、私たちは出会いました。
彼女は、重い病気の治療を本当に、本当にがんばった女の子。
ご両親は、そんな娘さんを心から誇りに思っています。
プリキュアが好き。
クロミちゃんも好き。
そして、動物園や水族館が大好きな6歳です。

勇気のいる「行きたい」
15年前に訪れたパパとママの思い出の場所、葛西臨海水族園。
「いつか娘と一緒に来たいね」
そう胸に秘めながらも、なかなか訪れることができなかった場所でした。
自宅から少し距離があり、
移動時間、2月の寒さ、体調の変化
不安がなかったわけではありません。
だからこそ、この一日は“チーム”でつくることにしました。
「何か心配なことがあればいつでも連絡してね」と、訪問診療の先生が完全バックアップ!
自宅の送り出しは訪問診療所の看護師さん。
道中は、ご家族だけの時間。
現地でのサポートは、私たち ちばこどもホスピスPJメンバー。
帰宅後は訪問看護師さんが訪問。
まるでバトンをつなぐような連携でした。
そして、当日の装備も万全です。
訪問診療所の理学療法士さんが、荷物台のついたバギーを手配してくださいました。
酸素はママとパパが交互でリュックに背負い、点滴は手提げ袋に。
バギーの荷台には吸引器とモニター。
たくさんの医療機器を携えながらも、動きやすく、楽しめる形に整えられました。



大好きなマグロ
大好物は、マグロのお刺身
巨大水槽の前で、悠々と泳ぐマグロをじっと見つめます。
大きく目を開けて楽しんでいる姿。
その隣で、ママもパパも自然体で同じ景色を見つめていました。



ペンギンに会いに
葛西臨海水族園では、この時期だけ一同に出会える4種類のペンギン。
水中の泳ぎを見るために、パパの抱っこで十数段の階段をゆっくりと。
水面ではぱちゃぱちゃと愛らしく、水中では優雅に泳ぐペンギン。
大好きなペンギンの、いつもと違う姿を見ることができました。



触れて、感じる海
「視力の低下がある娘に、耳や手で感じる体験を」
ご両親の願いに応えてくださった水族園スタッフの皆さまが、個別に丁寧にレクチャーしてくださいました。
なまこ、ヤドカリ、小さなカニ、ウニ、ヒトデ。
ヒトデに触れた瞬間、まぶたがぱちっと開きます。
未知の海との出会い。
水族園スタッフのあたたかなご配慮に、心より感謝いたします。



特別な一枚
大きな観覧車を背景に家族写真。
やっと、ここに来ることができたね。
自然に微笑むパパとママ。
そして、家族写真の真ん中で
「わたしも、ここに来てみたかったんだ。」
そう語りかけてくれているような、まなざしでした。
この時間は、家族の深い愛情でつくられた一日です。

その時にできることを、
いつも精一杯にやる娘さん。
この日、自分の意思でできる精一杯は、瞳を開き“今”を楽しむことでした。

こどもホスピスの活動は、「いつか」を「今」にすること。
そのために、たくさんの人がそっと力を寄せ合うこと。
この一日が
これからも家族の中で
何度も語られる想い出になりますように。

執筆:水上 (『ゆめ☆かな』チーム)
写真:田中(fumina _ tanaka)




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