第8回こどもホスピス寺子屋を開催しました
- days0828
- 12月11日
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更新日:6 日前
今回の寺子屋は、病気で2人のお子さんを亡くされた園部かおるさんを講師にお迎えしました。
園部さんは、お子さんを亡くされる前から聖路加国際病院小児病棟親の会『リンクス』を立ち上げ、現在も共同代表を務めておられます。ほかに、小児がん患者会ネットワーク、がんの子どもを守る会、横浜こどもホスピスイベントボランティアなど、多くの活動に参加されている中、今年度から上智大学グリーフケア研究所人材養成過程での学びを始められました。いきなり、この多彩な経歴に驚かされてお話が始まりました。
(以下、添付してあるパワポ資料を無断で引用・転載されることは固くお断りいたします)
まず、悲嘆(グリーフ)の定義について、「悲嘆(グリーフ)とは、喪失に対する全人的な反応、その経験のプロセス」であり、「喪失や悲嘆は他者と比較ができない個人的な経験であり、時間をかけて経験するプロセスである」として、「なかでも、子どもとの死別は特に悲嘆が強い」と言われています。
資料1にある通り、闘病後の子どもの死は、配偶者の死よりも圧倒的につらいという結果が出ていますが、よくわかります。
資料1

園部さんは、1998年から2002年の間に、長女、父親、二女を亡くされるという壮絶な経験をされています。子を亡くした母親の気持ちを園部さんは、資料2、3のように表現されました。
資料2

資料3

次に、グリーフワークについての話に移りました。グリーフワークとは大切な人を亡くしたことによる深い悲しみから立ち直るための心のプロセスであり、「悲嘆反応の期間は、グリーフワークの成否にかかっていると思われる」とのこと、立ち直りのためには、「悲しい時に存分に泣けること、そして、安心して自分の気持ちを表出できる場が必要」という指摘は、ちばこどもホスピスプロジェクト・グリーフケアチームの活動に大きな示唆を与えてくださいました。
資料5

園部さんは、2人のお子さんを亡くされたにもかかわらず、たくさんのボランティア活動に参加しておられます。
音楽療法を提供する方に、そんな自分への疑問を投げかけた際、「園部さんは、あまりにも衝撃が大きすぎたから、逆に何もしないではいられなかったのではないか」と言われ、すごく腑に落ちた。納得できた。」とのこと、園部さんにとっては、そうした活動自体がグリーフワークになっていたのではないでしょうか。
園部さんは、最後に「自分が立ち直っていくために、助けになったと思えること」「Post Traumatic Growth(心的外傷からの心理的成長)」「お伝えしたいこと」の3枚のスライドを示して、講演を締めくくられました。
資料6

資料7

資料8

また、自らがかかわっておられる活動について、今後のイベントの案内をしていただきました。
資料9

※うみそらグリーフカフェのご案内はこちら
資料10

園部さんより
「男女参画センター横浜北の2025年度の自助グループ支援事業として認められ、お部屋をお借りして、2か月に1回開催している。次回は12月21日(日)来年2月15日(日)お近くの方で、お子さんを亡くされた方がいらしたら、ご案内いただけましたら有り難いです。」
※お子様を亡くした家族のピアサポート「Pilina(ピリナ)」のHPはこちら
今回の寺子屋には、46人の参加があり、関心の高さが参加者数に表れました。また、グリーフケアチームの今後の活動に大きな示唆をいただけた、素晴らしいご講演でした。園部様、どうもありがとうございました。
(執筆:小川)






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